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起業・開業に向けての知識

事業プラン 6W2H

事業プランを立案するには、「6W2H」という要素から考える必要がある。まずは、それぞれの示す内容を理解するページです。

What?
価格をつけるものを決める。それが例えば物かサービスなのかを具体的に書き出しを行う。例えば、喫茶店ならコーヒーであれば何の豆なのか、など。

<Why?>
なぜ事業を始めようとしたのか。その事業は、人として必要とされるものか。自分の始めようとしたきっかけを具体的に残しておこう。将来的に目的と手段が変わってもここだけは変えてはいけない。
例えば、人がいやすい、美味しいコーヒーが安く飲める場所を提供したい。

<Where?・Whom?>
想定する市場はどこなのか?また、ターゲットとする顧客は誰なのか?
商品やサービスを提供しようとするターゲットは、できるだけ絞り込むのが望ましいだろう。相手が鮮明になればなるほど、アプローチの方法が具体的に検討できるようになるからだ。
ここで「Where」は市場、「Whom」はさらに絞り込んだ顧客を指している。

<When?>
どのようなタイミングで事業を行うのか?
事業の特徴となるノウハウを獲得するには、「人」と「金」をどんなタイミングで投入するのかが重要となる。どの時期にどんな人と、どれくらいの資金が必要か。この「時間軸」の概念を設定することで、事業の実行計画が出来上がるのである。

<Who?>
誰がその事業をやるのか?
事業内容とそれを実演するフローの中で、どんな人材が必要になるかを考えなければならない。まず自分やパートナーの能力を判断し、事業を進めるうえで他にどんな能力・経験を持った人が何名必要なのかを検討していく。

<How to? >
どんな特徴で、どんなノウハウを使うのか?
商品やサービスを、目指す市場・顧客に提供する際にどうやって競合優位性や独自性を発揮するかを検討する「販売力」「商品のユニークさ」「物流の効率性」といった特徴を発揮するには、それを生むノウハウ・手段も必要だ。

<How much?>
資金は?売上高や利益の目標は?
開業前、そして開業後に事業を運営していくうえで、どれだけの資金が必要になるのか試算する。またそれがどんなタイミングで必要になるのか、事業フローや売り上げ見込みと合わせて検討し、具体的な資金計画、資金調達手段に繋げていくのである。

「6つのS」を「6W2H」に置き換える
独立するだけなら、ことは簡単だ。問題となるのは、独立して行う仕事をどうやって継続・発展させるかにある。それを実現するために、まず独立後の日々の努力が大事なことは当然だろう。加えて、独立前からもしっかり準備しておくべきことがある。

この独立前に必要な準備は、「6つのS」で表すことができる。それが「信念(精神的財産)」「仕組み(知的財産)」「資金(物的財産)」という“基本の3つのS”に、「商品(サービス)」「市場」「支援」を加えた“6つのS”である。

独立の理想像とは、これら合計6つのS を獲得することにあるのだ。それをどう考え、どう準備し、どう動かしていくのかを綿密に計画したものが、つまりは事業プランということになる。これは図に示した「6W2H」の、疑問に対する回答というかたちで考えることができる。

何をするのか? どの市場でやるのか?

「6W2H」には、考えを進めるうえでの原則的な順番がある。その順番とは、図の上から下へと向かうことだ。

多くの場合は「What?」から入り、次に「Where? Whom?」へと進んでいくだろう。しかし反対に、まず先に狙う市場やターゲットを定めて、そこに提供できる商品やサービスを考案するという方法もある。前者は動機先行型で、後者は根拠先行型だ。

マーケティング的には後者が有利だが、「What?」と「Where? Whom?」の2つを頻繁に往復してプランを深めていけば、どちらからスタートしても構わない。いずれにしても、「Why?」にはたえず立ち返ることが大切である。なぜ、自分はそれをやるのか。あるいは、なぜ人々(市場)はそれを必要とするのか。その回答が曖昧なプランは、「空理空論」でしかない。

「How to?」は扇のカナメ

ここで、図の下へと作業を移していこう。
残された「2W2H」はいずれも軽視できないが、中でも「How to?」は最重点項目だ。これによって上の3項目と下の3項目が結び付いていることが、図でもお分かりになるだろう。言い換えれば、この「How to?」こそ市場がその事業に対して感じる魅力であり、競争相手に対する優位性となるポイントなのである。まさに、事業アイデアの部分だ。

事業は既存のものや先行している人々より、一味も二味も違う事業にするための創意工夫が大切だ。それは商品やサービス自体の工夫でも良いし、販売・提供方法の工夫でも良い。あるいは、生産段階の工夫や流通の工夫、販売後のフォローの工夫などでも良いだろう。ここが弱いと、後の「When?」「Who?」「How much?」などは力のない計画になりかねない。

事業計画書の作成例

企業名など

代表者名●● ●●
企業社名・屋号
(店の名前など)
純粋喫茶
所在地東京都千代田区〇〇-4-2
設立年月日2021年12月20日(予定)
資本金500万円
事業内容カフェレストラン
『現実から隔離された自分時間』と『傷ついた心を癒す場所』の提供

経営者の経歴など

経歴と資格をまとめておくことが必要とする。経営者がどんな人かわからないと事業に融資や投資する人が不信感を持ってしまい、好機を逃すことになるからだ。
資格については事業を始めるのに資格がなく始めることはリスクになる。そのため、事業を始める前に最低限の資格を取得することを薦める。

起業の動機

下のような具体的な内容を記載すること

動機例

私は、これまで多くの喫茶店に通いづめて、2年前ぐらいからこれまでの訪れた喫茶店での想いを形にしたい、また自分のこだわりの店を持ちたいと思っていた。昨年、地元の同窓会
に参加したときに「くつろげるカフェがない」や「愚痴を捌ける場所がない」と言われ、地元に喜んでもらえるようなカフェを開きたいと考えた。親からも 30 才までには、地元に帰ってくるよう言われていたので、よいタイミングだと思っている。私自身は、学生の頃は珈琲が嫌いだったが、老舗の珈琲店で「苦味の少ない珈琲」を入れてもらって珈琲のおいしさを知った経験がある。そのときの経験から、自分がおいしいと思う珈琲を、わかりやすくお客さんに提供したいと思っている。また、昔からたくさんの人に相談されることが多く、話しやすい性格を持っている自負があるため、その特徴を活かして、店でも人の悩みを解決したり人の癒すサービス提供したいと思いました。

ビジョン・目標

どんな店にしてその店をどのように継続するのか、金額面でも目標数値にすることが大切である。

ビジョン・目標例

「こだわりの美味しさと居心地の良さ」を提供し、地域の人たちに「お気に入りの空間」を提供したい。
3年後の売上高は 27 百万円、営業利益は 5 百万円を目標にする

事業コンセプト

商品・サービスの内容例
  • 「自家焙煎珈琲」:ハワイ、コスタリカ、ブラジル、プエルトリコなどの世界各地の珈琲豆を自家焙煎した珈琲
  • 「地元野菜料理」:季節に合わせた旬の地元野菜を使って、彩野菜のカレー、ソイミートのハンバーグ、野菜のミネストローネ等
  • 「地元野菜スイーツ」:野菜本来の味を活かしつつ、甘さをおさえた野菜パフェ、野菜パンケーキ、野菜と果物のスムージー等
  • セットメニュー:野菜料理のランチセット、野菜スイーツと珈琲のセット

ターゲット顧客例
  • 自分の好みの珈琲を気軽に飲みたい人
  • 好きなものを美味しく、健康的に食べたいと思っている子育て世代の女性
  • 〇〇地区の人
  • 悩みを抱えて、吐口がない人
  • 世間に疲れた人
サービス・商品の提供方法・仕組み例
  • 世界各地の珈琲豆や挽き方による苦味や酸味の違いをマッピングすることで、お客さんに自分に合う珈琲をわかりやすく選べるように提供する。また、顧客の好みに焙煎加減を調整するなどで満足度を高めリピーターを獲得していく。
  • フードメニューは、野菜ソムリエが監修し、地元の旬の野菜をボードやメニューブックで紹介する。野菜の産地、品種、栽培方法などの詳細情報を発信することで、より素材から興味をもってもらい、これに様々な加工方法に施すことでの味の変化<お客様のオーダーステップ>カフェ:原材料情報の発信お客様:興味カフェ:加工情報の発信お客様:興味の深まりお客様:飲食体験3や栄養面での違いを伝えていく。
  • SNS を活用して珈琲に係る知識や食材のこだわり、料理のレシピ等を紹介し、興味を深 めてもらう。
  • 居心地の良い空間をつくるため、テーブルやイス、コーヒーカップや食器等も北欧風のもので統一する。コストを下げるため、中古サイト等を使って仕入れる。

現状分析など

業界のトレンド、市場規模
  • カフェ市場の規模は、ここ数年 1 兆 1,175 億円(出典:(公財)食の安全・安心財団) 前後で推移しているが、外資系を含めたセルフ式コーヒーチェーンの進化や、コンビニ のカフェ展開など、コーヒー市場のすそ野が大きく広がっている。
  • コーヒー豆の品種や産地にこだわる「サードウエーブ(第 3 の波)」と呼ばれる新しい トレンドが生まれている。外食各社の参入が相次ぎ、月定額の会員制のコーヒー店など の新たな販売手法によるサービスも増加している。(出典:J-net21 業種別ガイド) ・
  • 家計調査によると、1世帯当たりの喫茶代への年間支出金額を、平成 25 年以降、増加 傾向にあり、28 年は 10 年前に比べ 17.2%増となっている。喫茶代への支出があった 世帯の割合も 29.5%と、2.7 ポイント上昇している(出典:家計ミニトピックス 総務 省)
  • 「苦すぎない珈琲」とか「酸味が強いほうがいい」といった自分に合う、おいしい珈琲を飲みたい人がいる。
  • ○○には、都会にあるような居心地がよく、おしゃれなカフェがあまりなく、地元にUターンで帰ってきた若い人が「自分の時間を過ごせるカフェがない」という声を聞く。
競合の状況

出店候補地の半径 500m 圏内にカフェが 3 店舗あり、それぞれの特徴は次のとおり。

  • A店
    • 大手チェーン店で 1 杯 220 円の安さがウリ。店内は数年前にリニューアルをして新し く、清潔感がある。席数は 40 程度。学生から高齢者まで幅広いお客さんが利用してお り、いつも混雑している。席と席の距離も近く、サッと珈琲を飲むはいいが、のんびり 過ごせるような空間ではない。
  • B店
    • 開業 50 年前の老舗の喫茶店。サイフォン珈琲を提供し、珈琲好きの常連客も多い。特 に 50~60 代の男性客やランチタイムのビジネスマンの客が多い。店内が喫煙可能とな 4 っており、タバコを吸わない人は店に入りにくい。特に若い女性客は少ない。
  • C店
    • 地元で複数店舗を持つレストランカフェ。比較的、ファミリー層や高齢者のグループでの来店が多い。珈琲のおかわりができるため、お客さんの滞在時間が長いのが特徴。料理の種類は豊富にあるが、メニューに特徴がなく、大手のグルメサイトのお客さんからの評価も高くない。
自社・事業の強み・優位性例
  • 自家焙煎することで、大量生産・大量供給では提供できない珈琲豆本来の個性豊かな香りとコクを提供できる。私は、これまでのカフェ勤務で豆・味・抽出技術を学ぶとともに、プライベートでも焙煎技術の勉強会やワークショップに参加し、スキルを磨いてきた。今では産地の珈琲豆の特性に合わせて、最適な焙煎技術や珈琲の抽出ができるようになっている。
  • 珈琲豆のワークショップを通じて知り合った珈琲豆の卸業者から、市場では出回りにくい世界各地の珈琲豆を手ごろな価格で調達できる。卸業者とは、「一人ひとりに合った珈琲をもっと身近に」という想いに共感してもらい、小ロットでの対応に応じてくれる。
  • 大手カフェチェーン店で、アルバイトから含めると 7 年間働いた。最後の 2 年間は店 長として勤務しており、効率的な店舗オペレーションや従業員管理のスキルをもっている。
  • 事業パートナーが野菜ソムリエの資格を持ち、野菜の栄養、素材に合わせた調理法に詳しい。地元の旬の野菜や果物を使った料理を開発でき、他社にはないメニューを提供できる。(事業の優位性)
  • 当店は、出店エリアのX地区において、珈琲の産地や焙煎方法にこだわり、フードメニューのバリエーションが豊富なカフェを目指しており、競合他店との差別化が可能と考える。B店の老舗喫茶店は、珈琲豆の品揃えが豊富であり、本格的な珈琲を提供しているが、若い世代をターゲットとする当社と顧客層が違い、違いが出せるものと思われる。また、地域の野菜や果物を使った食材を、野菜ソムリエが創作料理として提供しているカフェはなく、フードメニューにも特徴を出せるものと思われる。
販売促進・集客方法例
  • 珈琲マップの活用
    • 「苦すぎない珈琲」とか「酸味が強いほうがいい」といった、自分の好みに合うおいしい珈琲を選びたいという要望に応えるため、苦味や酸味をマッピングして、珈琲がわかりやすく選べるようにする。また、豆の銘柄を産地別に地図の絵柄にプロットして、お客さんが味と産地をイメージできるように工夫する。
  • 地元のこだわり野菜の紹介
    • 野菜ソムリエが監修し、地元の旬の野菜をホワイトボードやメニューブックで紹介する。その際、生産者の紹介や品種、栽培、収穫時の工夫などの原材料のこだわり情報も発信する。また、近々収穫し入荷予定となっている野菜についての情報も掲載することで、次回の来店時の告知をソフトに行う。
  • フライヤー作成、配布
    • オープン用のフライヤーを作成し最寄駅前にて配布を行う(平日の朝、夕の通勤時間帯、土曜日の昼前に実施)。また、当店のターゲット顧客層(子育て世代の女性)と同一である、美容室、託児所、習い事の教室などの店舗と連携関係を構築し、販促媒体を交換して配布することで、訴求の確度を高める。
  • フェイスブック、ブログ等を活用した発信
    • フェイスブック、ブログ等を活用し、珈琲の知識、食材のこだわり、料理のレシピを公開 する。また、当店で定期的に実施するフェアやイベントについての情報も随時掲載する。 受入れの席数に制限があるなど予約が必要なものに関しては、Web 上で対応していく。
販売計画例
営業年数売上高サービス時間帯部門別売上割合
1年目21,000,000午後
ランチタイム
午後
ディナータイム
3,000,000
7,200,000
7,200,000
3,600,000
14.3%
34.3%
34.3%
17.1%
2年目23,800,000午後
ランチタイム
午後
ディナータイム
3,100,000
7,600,000
7,600,000
5,500,000
13%
32%
32%
23%
3年目23,800,000午後
ランチタイム
午後
ディナータイム
3,100,000
7,600,000
7,600,000
5,500,000
13%
32%
32%
23%
4年目23,800,000午後
ランチタイム
午後
ディナータイム
3,100,000
7,600,000
7,600,000
5,500,000
13%
32%
32%
23%
5年目23,800,000午後
ランチタイム
午後
ディナータイム
3,100,000
7,600,000
7,600,000
5,500,000
13%
32%
32%
23%

(1 年目)売上高 21,000 千円

  • 午前 20 席×客単価 500 円×1.0 回転×営業日 300 日=3,000 千円
  • ランチタイム 20 席×客単価 800 円×1.5 回転×営業日 300 日=7,200 千円
  • 午後 20 席×客単価 600 円×2.0 回転×営業日 300 日=7,200 千円
  • ディナータイム 20 席×客単価 1,200 円×0.5 回転×営業日 300 日=3,600 千円
仕入計画例
仕入れ先名所在地割合支払い条件
●●商事〇〇市4-470%末〆翌 25 日支払
〇〇商店〇〇市4-430%末〆翌 25 日支払

食材関係、備品など細かくまとめておくと後から変更など対応しやすい。場合によっては仕入れができなくなった時の予備の仕入れルートを確保することを忘れずに行うこと。

店舗・施設計画

出店エリア状況例
  • 出店予定地には往来の数が少ないが、大通りに行くと平日でもたくさんの主婦やサラリーマンが通る場所であり、近くの高校がある
  • 地区的に単身者や学生と孤立した一人世代が多くおる場所でありながら、趣味の店が多い。
店舗概要例
  • 2 ヶ月前まで別の飲食店であった店舗を居抜きで利用する
  • 最寄り駅から徒歩 7 分程度
  • 3 階建てのテナントビルの 1 階に出店。
    2 階と 3 階には、学習塾や雑貨店等の複数店舗が入居している。
  • 築 15 年程度の鉄筋コンクリート
  • 延べ床面積 30 坪、厨房面積 6 坪
  • 席数は 20(2 名用テーブル 6、4 名用テーブル 2)
実施体制・人員計画例
担当1年目2年目3年名備考
厨房・ホール
仕入れ
111経営者
厨房・ホール
販売促進
111経営者パートナー
ホール223アルバイト

組織体制図も作成すること

投資・資金調達計画
投資項目必要な金額調達調達金額
設備資金
運転資金
  • 設備資金
    • 内容工事費
    • 店舗保証金
    • 機会装置
    • 器具備品
  • 運転資金
    • 商品の仕入れ
    • 開業の経費
    • その他

資金については上限を決めておくことも大切である。見積をもらう前に上限を設けることで余計な出費も無くなります。

損益計画

損益計画は、具体的な細かい話になるので別記事に記載します。

実施スケジュール

実際にかかる期間などを事前に取りまめて動くようにする。そうしなければ余計な人件費が高くなること上に期限あるものが間に合わない。また、スケジュールが遅れる場合は事前に全体に共有すること。スケジュールは早まることはいいことですが遅れることがあってはいけない。それは怠慢である。上に、告知した期限を守れなく、お客様の信用を失うことになる。

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