Claude Opus 4.6とAgent Teams — AIマルチエージェント協調開発の新時代
はじめに
2026年2月5日、AnthropicはClaude Opus 4.6をリリースしました。最大1Mトークンのコンテキストウィンドウ、128Kトークンの出力に対応し、Claude Codeの新機能「Agent Teams」が利用可能になりました。本記事では、Opus 4.6の主要な進化点と、複数のAIエージェントが協調して開発を行うAgent Teamsの仕組み・活用法を解説します。
Claude Opus 4.6の主要スペック
| 項目 | Opus 4.6 | 前世代 Opus 4.5 |
|---|---|---|
| コンテキストウィンドウ | 1Mトークン(ベータ) | 200Kトークン |
| 最大出力トークン | 128Kトークン | 32Kトークン |
| Agent Teams対応 | 対応 | 非対応 |
| 入力料金 | $5 / MTok | $5 / MTok |
| 出力料金 | $25 / MTok | $25 / MTok |
特に1Mトークンのコンテキストウィンドウは革命的です。大規模なコードベース全体をコンテキストに含めることが可能になり、プロジェクト全体を俯瞰した上での正確なコード生成・修正が実現します。
Agent Teamsとは
Agent Teamsは、複数のClaude Codeインスタンスがチームとして協調して作業する実験的機能です。従来のサブエージェント(Task tool)とは異なり、チームメイト同士が直接メッセージを交換し、共有タスクリストを通じて自律的に作業を調整できます。
基本的なアーキテクチャ
- リードセッション: チーム全体を管理・タスクの分配を行う
- チームメイト: 独立したClaude Codeインスタンスとして各タスクを実行
- 共有タスクリスト: 全チームメイトがアクセスできるタスク管理
- ダイレクトメッセージ: チームメイト間の直接通信
有効化方法
環境変数で有効化します。
export CLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMS=1
または、settings.jsonで設定できます。
Agent Teamsの実践例
例1: フルスタック機能の並列実装
認証機能の実装を3つのエージェントに分担する例です。
> Agent Teamsを使って認証機能を実装して。
- フロントエンド担当: ログインフォームとセッション管理
- バックエンド担当: APIエンドポイントとJWT処理
- テスト担当: E2Eテストとユニットテスト
リードセッションがタスクを分解し、各チームメイトが独立したファイルセットを担当します。チームメイト同士がAPIのインターフェースについてメッセージを交換しながら、整合性のある実装を進めます。
例2: コードレビューの並列実行
異なる観点から同時にコードレビューを実施できます。
> 最近のPRを以下の観点で同時レビューして。
- セキュリティ観点
- パフォーマンス観点
- テストカバレッジ観点
例3: 大規模リファクタリング
Anthropicのエンジニアリングチームは、16のエージェントが並列で作業し、約10万行のRust製Cコンパイラを構築した事例を公開しています。各エージェントがコンパイラの異なるモジュール(パーサー、型チェッカー、コード生成など)を担当し、共有のテストスイートで品質を担保しました。
Agent Teams利用時の注意点
適したユースケース
- 独立したモジュールの並列実装
- 異なる観点からの並列レビュー・調査
- フロントエンド / バックエンド / テストのクロスレイヤー作業
避けるべきケース
- 同一ファイルの編集が必要な場合(上書き競合のリスク)
- 依存関係が多く独立作業が困難な場合
- 順次実行が必要なタスク
ベストプラクティス
- 各チームメイトが異なるファイルセットを担当するよう設計する
- チームメイト1人あたり5〜6タスクを目安に分割する
- スポーン時に十分なコンテキスト(背景情報・要件・制約)を提供する
- 重要な変更にはPlan Mode承認を要求する
表示モード
- In-Process(デフォルト): メインターミナル内で動作。Shift+Up/Downでチームメイトを切り替え表示
- Split-Pane: tmuxやiTerm2を使用し、各チームメイトが独自のペインで動作
まとめ
Claude Opus 4.6とAgent Teamsの登場により、AI支援開発は「1人のAIアシスタントと対話する」段階から「AIチームと協働する」段階へ進化しました。複雑なプロジェクトでの並列開発、多角的なレビュー、大規模リファクタリングなど、これまで人間のチームでしかできなかった作業がAIチームで実現可能になっています。