バレンタインデーが近付くと男性は嬉しいかもしれませんが、働いている女性の大半は頭が痛いです。「今年の義理チョコはどうしよう・・」と悩み、いっそこの慣習が世の中からなくなればいいのにと思うほどです。
同僚の男性にはそれほど気を遣わず、適当に分けられるチョコレートを用意しても問題ありませんが、相手が上司となるとそうはいきません。ある程度いいものを選ばなければならないし、この際確かなモノ選びが出来るところもアピールしたいところです。
総務部に所属していた時、お世話になっている大切な上司が3人いました。3パターンのバレンタインの贈り物を用意する必要がありましたが、普段から食の好みが理解できている相手なら品選びも困りません。
スイーツ好きの〇〇さんはそのままチョコを選んでも大丈夫で、毎年1月になれば各所で世界から集めたチョコレートフェアが開催されているので、その年のおすすめの商品を選んで贈りました。スイーツ好きなので喜んでもらえますが、あまりに高価なセットのチョコレートだったり、情熱的な赤いリボンが印象的なラッピングだったりすると、こちらに好意があるように受け取られることもあるので注意します。こちらにそんな気は微塵もないにの、上司も普段は尊敬できる人物であったのに、俗な言い方をするなら、やはりそこは男です。「もしかして・・?」という誤解や付け入られるスキになることがあります。
伝えたいのは「感謝」であって、「愛情」ではないということを明確にしておくことが大切です。私もこの経験で少し相手と気まずくなってしまったので、「愛情」と勘違いさせないサイズ感と価格、ラッピングというのを明確に意識し始めました。
普段から甘いものを口にしない〇〇さんには、それでも初年度には「奥様へどうぞ」といいながらチョコレートを渡しました。やさしい方なので「ありがとう」と言ってくれましたが、翌年に洋酒のミニボトルを贈ってみると、とても喜んでくださいました。
バレンタインデーだからといってチョコにこだわらず、やはり相手の好みを理解して、貰って嬉しいものを選ぶことの大切さを実感しました。
〇〇さんは「バレンタインデーは何もいらないから、私に渡すのはやめてほしいと思っている。」と公言している人でした。甘いものがイヤなのか、お返しをするのが面倒なのか、この慣習になじめないのか、いずれにしても一切いらないということだったので、女性社員にとっては手間が省けて有難い存在でした。
上司といってもランクがあるので、こちらが渡す商品にもランクが発生します。「男って本当にくだらない・・」と呆れたのですが、係長が自分が貰ったチョコと、部長が貰っているチョコを比べてひがむということがありました。階級からいっても、部長の方がいいものを貰っていても当然なのに、「部長の方が金色の包装紙で、大きいし、自分の2倍の値段はしそう」と言い出しました。
こういう人物がいる場合は、この人が見ていないところで渡すのも配慮としては有効です。
チョコレートを渡す時、必ず付けるものにメッセージカードがあります。相手が上司であれば、これにも大切なポイントがいくつかあります。働き始めた頃は、会社で手渡しできる相手なので、カードではなく実際に言って伝えればいいかと思ってそうしたのですが、先輩の女性社員に「きちんとカードを付けることは礼儀よ」と教えられました。
ここでも大切なことは、先の「こちらに好意があると誤解されないこと」と同様です。「〇〇部長、いつもありがとうございます。今後も末永くよろしくお願い致します」と書いて贈ったら、「末永く」がちょっとした誤解を招いたことがありました。
また、カードにも力を入れてハートが飛び出るタイプのものを選んだことがありました。もちろん好意はなく、喜んでいただきたい一心、そして若気の至りでしたが、やはり誤解が生じました。奥様が「これは何なの?!」と機嫌を損ねたという話を後で聞きました。
バレンタインデーでは、チョコ選び、またはその代替品の選び方にも誤解が生じぬように注意しなければなりませんが、メッセージカードについても同様の注意が必要といえます。カードに凝り過ぎてはダメです。名刺サイズのカードで充分で、そこにおさまる文字数でメッセージは考えます。
誰が読んでも、部下が上司に宛てた日頃の感謝の気持ちとわかる内容であることが大事です。曖昧な内容や、含みのある言い回し、誤解されかねない言葉などは厳禁です。
誰にいつ見られてもいい文面、そして形という意味でも、封をしていないもの、折りたたんでいないメッセージカードを選ぶようになりました。
部下を多く従えている立場の人は、多くのチョコレートを持ち帰ることになるので、かさばらないサイズを選ぶようにもしています。そして他のも一緒に入れられるように、別で大きめの紙袋を用意して渡すととても喜ばれました。
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